遅くなりました・・・。なかなか時間がなくて・・・・・。やっとです。
写真はいいのがないので、以前のものと、赤ファズフェイスMODでお願いします。
あと、文中の「彼」のところ本当は「小倉さん」だったのですが、少し距離を置いた感じで
作品を客観的に、観察した感じを出すためにこの様にしましたが、親近感が湧くのは
「小倉さん」表記なのでどちらでもお任せします。編集お願いします。
ずーっと聞いています。このアルバム丸ごとライブやりたいくらいです。素晴らしい!

 

  ここからライナーです。↓

 先日、バンドのNEWアルバムを出したばかりの彼から、おもむろに一枚のCDを渡された。
NEWソロアルバムが完成したとの事。何の惜しげもなく、たて続けにアルバムを出すのが
いかにも彼らしく、ワクワクさせられる。

 そんな彼との出会いは1992年の9月だった。当時私は大学一回生でギターを弾きだしたのも
ちょうどこの頃で、最初はバンド活動を夢見て大学の軽音楽部に入部したのだが・・・・。
全く面白くなく、夏には退部し、どうしようか毎日苦悩の日々を過しつつ音楽雑誌「Player」の
メンバー募集のコーナーを眺めていると・・・・。ほとんどが北欧メタルがどうだとか、ハードロックが
こうだとか、当時の私には全く訳のわからない内容ばかりの事を書いてるメンバー募集の中で、
一人だけどう考えても少し,場違いな感じで「ローザ・ルクセンブルグ」とか好きな人集まれ〜?
見たいな緊張感の無い軽い感じのメンバー募集を発見!それがまさに彼だったのです。

 早速に汚い字でハガキを書いたの思えてますが、正直メンバーになりたいというのではなく
「この人どんな人何だろう?」と言うのが無性に気になってたまらなかったのです。
だってそうでしょ?ジャーマンメタルがどうとか、当方、超高速早弾きギター、ツーバスドラマー求む!
とか・・・。そんな畑違いの場所へ、堂々と自信たっぷりに自分の意見を主張出来る人って一体・・・?
  すぐに連絡があり待ち合わせ場所の四条木屋町「不二家」前に行くと、ちょっとチャラチャラした感じで
バーテン姿の人が立ってました。「あのぉ〜」と声をかけると「あっ、君か〜。とりあえず行こうか。」
見たいな感じで・・・・。チャライ・・・。しかもここは木屋町・・・・。一体何処へ行くんだ・・・。
声かける人、間違えたかなぁ・・・・・。なんていろんな想像をしつつ、着いた先は誰も客のいない
ショットバーそこが「ガネーシャ」である。そして彼に、なんか飲む?と言われ私は、「やっぱ声かける人
間違えたかな〜?きっとここは、ぼったくりの店に・・・・・」なんて焦ってたら、やっとバンドの話題が出て
ホットしたのを覚えてますね・・・・。

 あと肝心のギターのオーディションは、店にあったボロボロで、弦が2本ぐらい切れた状態の
アコギっぽいもの?をその場で少し弾いただけで、後はとりあえずスタジオに入ろうって感じでしたね。
更に、私もギターを始めたばかりでほとんど弾けない状態、コードをおさえるのがやっとでしたが・・・・。
今思えば、もしかしたら彼も少し私の事、なんだコイツてな感じで?
気になっていたのでは・・・。なんて思いますがね。

 その後の私たちは意気投合し色々な場所で勢力的に活動、他のメンバーの脱退や加入などを
繰り返しながらその都度、壁を乗り越えて来ました。私自身もバンドを離れた事がありましたが
彼が上京するまでの間は、比較的バンドの在籍期間が長い方で、楽しい時間を過させてもらいました・・・・。
もうずいぶん長い間、一緒にバンドをやっていませんし、
遠くに離れてしまってますが、何だか近くにも感じます。今でもバンドメンバーな気分にさせてくれます。

 さて、そんな彼のソロアルバムについてですが、私自身、世間一般のソロアルバムに対して
あまり良いイメージが湧かないのです。
ROCKの歴史を振り返ると、ソロアルバムは、バンドでは表現出来ない事をやりたかったなど、
色々理由はあったにせよ、インンパクトのある作品が多少はあったものの、
ソロアルバムがバンドのアルバムよりよく感じた記憶があまり無かったのです。

 そして、そう感じつつ一曲目・・・・・・・。
ピーンと張り詰めた空気の中、スピーカーを突き破り飛び出してきた音、歌詞、そしてリアルすぎる魂が!
「何っ!スゴイ!」   全身にイナズマが走りました・・・・・・・・。
コレは単にソロアルバムではなく、彼自身、彼そのものを表現したアルバムだと確信しました。
バンドと言う枠内では収まりきれないすべてがここに凝縮されたリアルなのです。

 どの曲もしっかりと魂を感じさせられるのですが、私には、3曲目の 「こっちはキツイぜ」 が
すべての始まりだと感じました。曲自体は他の曲に比べるとシンプルかつストレートなんですが、
このドカドカうるさいロッケンロールな感じが大事なんです。必要だったんです。
当時この曲はもっとハチャメチャと言うか、メンバー個々が力いっぱい演奏していたと言うか・・・。
ドラムはとにかく力強く、ベースは大音量でダウンピッキング、ギターはひたすらコードをかきむしり、
そしてボーカルは他に負けじととにかく絶叫、絶叫の嵐・・・・。
演奏が終わると、いつもヘトヘトで耳鳴りがけが「キィ〜〜〜ん。」って感じだったのですが、
このアルバムでは、すべてを悟りきったかの様に実に清らかで美しくなってますね。

 そして、最後の曲 「ヤニ色の人生」 アルバムを締めくくるにふさわしい曲に仕上がってますね。
まさにコレだよ! この曲こそが彼と私が出会った時からずーっと追いかけて来た一つの形
   「殺伐フォークロック」  なんだと感じました。

 このアルバムは、まさに「名盤」と言うにふさわしい作品となったに違いないが、彼にとって本当の「名盤」は
常に次回作であり、終わりはないのであろう。
このROCKに対するあまりにもリアルな貪欲さがたまらない・・・・。カッコイイ!

 

 このアルバムは 「ROCKが好きで何が悪い!!!」 と絶叫している彼の魂の叫びに違いない。



2009/09/05 快人